CATV

ケーブルテレビ局の顧客管理システムを入れ替えるときに確かめること

執筆:編集長 渡辺(株式会社アイナレッジエンジニアリング)

ケーブルテレビ(CATV)局の顧客管理システム(加入者管理システム)は、契約・請求・工事・機器・問い合わせまでがつながる、局の業務の土台です。入れ替えを考え始めたとき、製品を比べる前に確かめておきたいことを整理しました。

この記事のポイント

  • 顧客管理システムは部署をまたぎ、視聴制御・回線・決済ともつながるため、入れ替えの前に確かめることが多い。
  • いちばん慎重に進めるべきはデータ移行。範囲を決め、リハーサルで件数と金額が合うことを照合してから切り替える。
  • 製品は機能の数より、自局の業務に合わせられるか、段階的に導入できるか、導入後の体制があるかで比べる。

ケーブルテレビの顧客管理は、なぜ入れ替えが難しいのか

ケーブルテレビ局の顧客管理システムは、1つの部署だけで使うものではありません。窓口・コールセンター、営業、工事、請求・料金、管理部門が、それぞれの業務で同じお客様の情報を使っています。

さらに、次のような仕組みとつながっていることがほとんどです。

  • STB・CASなどの視聴制御
  • インターネットや電話などの回線サービス
  • 口座振替・コンビニ払い・クレジットなどの決済
  • 地図、CTI(電話)、マイページ

そのため、システムだけを入れ替えるつもりでも、業務の流れやデータ、周辺システムとの連携まで見直すことになります。準備の段階で確かめておくことが多いほど、切り替えは落ち着いて進められます。

入れ替えの前に確かめたい7つのこと

1.今のシステムで「何をしているか」を書き出す

最初に、今のシステムで行っている業務を部署ごとに書き出します。画面で行っている操作だけでなく、毎月出している帳票、年に一度だけ使う処理も忘れずに挙げます。

書き出してみると、システムの外で、Excelや紙で管理している業務が見つかることがよくあります。こうした周辺の業務も、新しいシステムに入れるのか、外に残すのかを決めておく必要があります。

2.お客様のデータがどこにあるかを確かめる

お客様の情報が、今のシステムの中だけにあるとは限りません。

  • 集合住宅の物件・部屋の情報を、別の台帳で管理している
  • 工事や機器の履歴を、Excelで管理している
  • 問い合わせの記録が、担当者ごとに分かれている

データの置き場所が分かれていると、移行のときに「どれが正しい情報か」を確かめる作業が必要になります。入れ替えは、情報をひとつにまとめ直すよい機会でもあります。

3.請求・入金の流れと、例外の扱いを確かめる

請求は、お客様に直接影響する、いちばん間違えられない業務です。料金の計算方法だけでなく、割引、日割り、途中での契約変更、一括請求などの例外の扱いを洗い出しておきます。

口座振替・コンビニ払いなど、決済ごとのデータのやり取りや、未収・督促の流れも確認します。切り替えの月に、請求の漏れや二重請求が起きないよう、どの月の請求をどちらのシステムで行うかも決めておきます。

4.外部システムとの連携を洗い出す

STB・CAS、回線、決済、地図、CTIなど、今のシステムとつながっている仕組みを一覧にします。それぞれについて、何のデータを、どの方法で、どのくらいの頻度でやり取りしているかを確かめます。

連携の仕様書が残っていない場合もあります。その場合は、今の設定やデータから調べることになるため、早めに着手しておくと安心です。

5.データ移行の範囲と方法を決める

移行するデータは、今の契約だけでなく、過去の契約や請求・入金の履歴、工事や機器の履歴、問い合わせの記録まで、どこまで持っていくかを決めます。

古いシステムと新しいシステムでは、項目の分け方やコードの付け方が違うのが普通です。本番の前に移行のリハーサルを行い、件数や金額が合っているかを確かめてから切り替えます。

6.切り替えの時期と進め方を決める

すべてを一度に入れ替える方法のほかに、顧客・契約、工事、料金のように、業務のまとまりごとに段階的に切り替える方法もあります。段階的に進めると、1回ごとの影響を小さくできます。

引越しの多い時期や、料金改定の前後など、局にとって忙しい時期を避けて日程を組むことも大切です。

7.導入後の保守・改修をどうするかを決める

ケーブルテレビの業務は、新しいサービスの追加、料金の改定、制度の変更などで、導入した後も変わり続けます。帳票の追加や項目の変更を、誰に、どのように頼めるのか、導入前に確かめておきます。

自局の業務の流れに合わせて画面や帳票を変えられるか、問い合わせの窓口がどこになるかも、長く使ううえで重要なポイントです。

製品を比べるときの見方

顧客管理システムを比べるとき、機能の数だけで判断すると、導入した後に「業務に合わない」と感じることがあります。次のような点もあわせて確かめておくと安心です。

  • 自局の業務の流れや帳票に合わせられるか
  • 今の資産を活かしながら、段階的に導入できるか
  • データ移行やリハーサルを一緒に進めてくれるか
  • 導入後の問い合わせ、改修、制度変更への対応の体制があるか

Minutes Coreについて

アイナレッジエンジニアリングの「Minutes Core」は、30年以上にわたるCATV業務システムの実績から生まれた、ケーブルテレビ局向けの加入者管理システム(顧客管理システム)です。加入者・契約、課金・請求、工事・機器、問い合わせ、帳票、外部連携までを一元管理し、局ごとの運用に合わせてカスタマイズできます。

既存のシステムと共存しながら段階的に導入する進め方にも対応し、現行業務の整理からデータ移行、導入後の運用・改善まで、同じチームが支援します。入れ替えの時期や範囲が決まっていない段階でも、ご相談ください。

参考・関連リンク

資料ダウンロードMinutes Core の製品資料(PDF)加入者・契約・課金・工事をひとつにつなぐ、CATV事業者向け加入者管理システムの資料です。標準機能、導入・移行の流れ、保守料金をまとめています。資料をダウンロードする

編集長 渡辺

株式会社アイナレッジエンジニアリング「現場の知見」編集長。CATV、官公庁・自治体、企業の業務システムの開発と保守の現場から、システムを見直す前に確かめたい観点をお届けします。