設備の警報

冷凍冷蔵倉庫の夜間の温度警報、朝に気づくのでは遅い

執筆:編集長 渡辺(株式会社アイナレッジエンジニアリング)

冷凍機の停止や扉の閉め忘れで庫内の温度が上がっても、警報が夜間の事務所で鳴っているだけでは、誰も気づかないまま朝を迎えることがあります。温度の管理は、設備だけでなく、警報を受け取った人が動けるところまでを含めて考える必要があります。

この記事のポイント

  • 警報が事務所のブザーや共用メールに出るだけでは、夜間・休日に受け取る人がいない。
  • 霜取りや入出庫による一時的な上昇は、一定時間待って戻らない場合だけ知らせる。
  • 連絡の順番と「対応する」の意思表示を決め、警報・連絡・応答の記録を報告にも使う。

警報が「鳴っている」だけでは届いていない

多くの冷凍冷蔵設備には、温度が設定の範囲を外れたときに警報を出す機能があります。ところが、警報の出先が事務所のブザーや表示灯、共用のメールアドレスだけになっていると、夜間や休日には受け取る人がいません。庫内の温度はゆっくり上がるため、気づいたときには保管品の品質に影響が出ている、ということも起こります。まず確かめたいのは、いまの警報が「誰に」「どうやって」届く設計になっているかです。

霜取りや入出庫による一時的な上昇をどう扱うか

冷凍機の霜取り運転や、入出庫で扉を開けている間は、庫内の温度が一時的に上がります。この上昇のたびに担当者の電話が鳴れば、担当者は通知に慣れ、本当に重要な警報を見落とします。警報が出てから一定の時間を待ち、その間に正常な温度へ戻らなかった場合だけ知らせる、という「復旧を待つ」考え方が有効です。待つ時間は、庫内の温度が品質に影響するまでの余裕と、担当者が駆けつけるまでにかかる時間から決めます。

誰に、どの順番で知らせるか

夜間の連絡先を一人に決めていても、その人が電話に出られないことはあります。一人目が応答しなければ二人目へ、全員が応答しなければ設備業者へ、というように順番を決めておきます。あわせて、連絡を受けた人が「対応する」と意思表示できる仕組みがあると、複数の人が同時に駆けつけたり、逆に誰も動かなかったりする事態を防げます。

記録は、あとからの説明にも使う

温度の異常があったときには、荷主や社内への報告で「いつ異常に気づき、誰がどう対応したか」を説明する場面があります。食品を扱う現場では、HACCPに沿った衛生管理として温度の記録を残していることも多いでしょう。温度の記録に加えて、警報の発生時刻、連絡した相手と時刻、応答の有無を残しておくと、対応の経緯を示しやすくなります。

まず一つの庫で、夜間の連絡を試す

警報の設定をすべて見直す前に、保管品の価値が高い庫や、過去に異常が起きた庫を一つ選び、警報が出てから担当者が対応を始めるまでの流れを時系列で書き出します。そのうえで、夜間に試験の警報を出し、実際に誰に何分で届くかを確かめます。Aikenでは、CATV局向けに開発している「障害Call」(2027年リリース予定)を、こうした設備の警報にも使えるか検討しています。設備がメールで警報を出せるかなど、導入の前に確かめる点もあるため、関心のある方はご相談ください。

ご相談警報の「届いたあと」の仕組みを相談する警報が届いても、誰も気づかなければ対応は始まりません。いまの監視・連絡の流れをうかがい、電話での知らせ方や記録の残し方を一緒に整理します。相談する

編集長 渡辺

株式会社アイナレッジエンジニアリング「現場の知見」編集長。CATV、官公庁・自治体、企業の業務システムの開発と保守の現場から、システムを見直す前に確かめたい観点をお届けします。